<ランチュウはなぜ金魚の王様なのか> [ショートコラム]
熱帯魚の王様がディスカスと言われているが、金魚の王様はランチュウである。共通して言えることは、大きさ勝負に勝った王様ではないと言うことだ。金魚の大きさ勝負なら、和金やシシガシラが一番であろう。でも王様はランチュウなのだ。なぜ?
ランチュウはどこの店でも売られているが品評会の規模、愛好者の数も半端ではない。一般の方が、金魚を飼育してみようか!と気楽に水槽を準備して始めるのとは違い、それこそ、ランチュウにはまり込んでいる人は一種のオタク化している節がある。庭、部屋、全てを水槽が支配し、飼育だけで無く交配して自分なりのランチュウを作り出す人が多いのだ。各地の品評会に自分の作出したランチュウを送り込み、上位入賞を狙う。上位入賞の魚を交配させれば、たとえ色変わり前の仔魚であっても、万札で売り買いされる。得た金は、またまたランチュウに消える。
ランチュウは自分好みの形が作れる唯一の金魚である。もちろん、背鰭がない分、背なりについては生まれつきの形状が関わってくるが、鰭の付き方、肉瑠の付き方、体型は後の飼育で左右することができる。
その分、飼育は難しい。長い間、改良の手が加えられ、おそらく近親交配もあるのだろう。もともとの体質が弱いのである。鰭が短く、体型が丸いため、泳ぐのも苦手、止水環境を非常に好む。適度の青水が入った池が最良の飼育場所となる。流水環境で育てると、泳ぐのに適した体型へ変化してしまい、ランチュウ特有の肉瑠も発達もおさえられてしまう。尾鰭も横へ開かずに閉じた形になってしまう。もちろん、品評会では失格となる。
ただ、親魚ランチュウの姿は圧巻なのも事実。まん丸の筒型体型に肉瑠が隆々と盛り上がると、さすがは金魚の王様!と納得させられてしまうのだが・・・。
ちなみに、金魚の女王は何か?私はシシガシラだと思ってたのだが、どうやら土佐金だったらしい。その辺はまた、別の機会に話そう。
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