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<金魚の選び方> [ショートコラム]

金魚店に行く。いろんな形や色合いの金魚がいる。私も未だにワクワクする光景だ。とくに初めての人は、どちらかというと、和金や流金よりも変な形や色の金魚に目を奪われることだろう。でも、多くの人に「金魚といったら?」と聞くと、たいていは出目金を思い浮かべる人が多い。しかも不思議なのは、金魚といえば赤色なのに、多くの人は黒の出目金を最初に思い出すのである。子供などは特に出目金が大好きだ。

しかし、どの金魚にしようか?と迷う前に、まず思い浮かべなければならないのは、自分の設置した水槽のサイズである。あなたが何センチの水槽を準備しているか!で飼える金魚が決まってくるのである。多くの飼育本がなぜこのことを書かないのか、私は不思議でならない。

コラム<金魚と水槽のサイズ>で書いたように、数年の飼育OK!となる60cm水槽を準備している人なら、どれでも好きな金魚を選べばいい。ただし、60cm水槽では体長が10cmを越すと通年飼育が厳しくなる(特に夏場)ので、あくまで選ぶ魚は明け2歳までにしておく。そして、成長の早いワキン系はすぐに手狭になるので、流金や出目金のようなわりと成長の遅いものがベストである。オランダシシガシラや東錦もわりと成長が早いので注意。そして、夏場の水温が30度を越しそうな人は、必ず、数を減らすこと。もちろん、いずれは90cm水槽を準備してあげてね。

それから、金魚によっては水質に非常に敏感なものがいる。ランチュウ、地金、土佐金、チンシュリン(ピンポンパール含む)のような金魚は、ちょっとでも水質が変わるとイチコロである。出目金、頂点眼、水泡眼なども、体に突起物を持つため、怪我をして病気になりやすいので注意。

45cm以下の水槽で飼育しようという人。この場合は難しい。選ぶ金魚の基準としては、少々の水質悪化にも耐えられる気力を持ち、成長も遅く、水流の流れに疲れない金魚を選ばなければならないからだ。45cm水槽はどうしても、水質悪化しやすい。そして、酸素供給やろ過の関係で水槽内に水流が起きるわけだが、もともとの水量が少ない関係でどうしても急激な流れになりやすいのだ。結果的に、ランチュウ系のような、体長に比較して鰭の短いものは無理である。反対に、和金は丈夫だし俊敏に泳ぐが、成長は早いし食事量も多い。水が汚れやすいのだ。それから、出目金も実は水質悪化に弱いほうで、狭い環境では病気になりやすい。
このような方にお勧めするのは流金である。小さな環境で水質悪化に注意しながら、大きく育てず、でも年はとらせる!・・・このようなことが可能なのだ。一般にマメリュウと言われている、豆流金のこと。普通に育てれば20cm程度になる普通の流金を、いかに小さく育てるか!の世界である。これは品評会もあるらしい。
どうしても45cm水槽しか準備できない人は、そのような飼育法を試してはいかがだろうか?小さな小さな世界に、とことんまで命を吹き込んであげて欲しい。
ちなみに、マメの世界がマメリュウしかないところを見ると、他の金魚では難しいのであろう。

飼育本ではほとんどの金魚が「丈夫で飼いやすい」と表記されているが、飼ってみると意外に弱いと感じる金魚は多い。金魚は丈夫=放っておいても良い、というわけではないことが身にしみてわかるだろう。池ならばアオコや水草、落ちてくる虫などの餌が金魚の口に入るが、家庭内の水槽では決してありえないのだ。水槽が小さければ小さいほど、小まめなチェックが欠かせない。こんなはずではなかったのに!と思う前に、選ぶ時はぜひとも、水槽のサイズを基準にしてあげて欲しい。

まとめると、鰭の短い魚や鰭のヒラヒラした魚(コメットを除く)は泳ぐのが苦手である。狭い場所でぐるぐる水が回っているような環境で飼うべき魚ではない。せめて60cmサイズの水槽で、止水部分もあるようにしてあげれば良いだろう。
そして、和金は丈夫だしどこにでもいる金魚だが、本来は池で飼うべき魚である。そうすれば、30cm近い立派なオヤジ顔を見ることができる。水槽は90cmが必要だ。
最近でてきたジャンボタイプは、間違っても60cm水槽以下に入れないこと。最低限、90cm水槽を準備する。もう本来なら、これは池の世界だろうけど・・・。

そして店に行ったら、水槽内を最低5分は観察することである。ちょっと見て「これがいい!」は絶対ダメ!
欲しい子が病気か病気じゃないか?水槽内に病魚がいるか?・・・そんなこと見るのは当たり前。そうじゃなくて、本当に見て欲しいのは、その子の性格だ。
5分も見ればいろいろなことが分かる。鰭の動かし方、鰓の動き、仲間との交流の度合い、挙句は目の動きも良く分かる。仲間と一緒じゃないとオドオドしてるのか?他の個体を突っついてまで餌をとろうとする子なのか?他の個体が何かしてたら自分もその場所に行って見るのか?・・・たかが金魚の世界でも、見ていると結構おもしろい。
でもまずは、基本は元気な個体を手に入れることなのだから、その金魚が鼻上げしているのは酸素不足のせいなのか、餌が欲しいのか、それとも病気なのか、せめてそれくらいの見極めは大切である。元気なら後は、色の好みの問題である。こっちの水槽のこの子と、あっちの水槽のあの子!という風に順に決めたら良い。もちろん、家に帰っても、毎日の日課として、金魚をじっくり見ることは忘れない。
水質の敏感な金魚に挑戦したい人ほど!・・・金魚はじっくり見ることですよ。

それから、異種間の組み合わせだが、それは飼育本の通りである。いじめられるということは、金魚の場合ほとんど無いが、どういうわけか、よく泳ぐ魚のほうが生き残りやすいのは事実である。飼育現場の実際として、餌をみんなが食べているように見えても、やっぱり泳げない魚から死んでいくのだ。泳げない魚にはストレスがたまるのかもしれない。よって、和金系、ランチュウ系などと体型分けがされているが、その部類単位で水槽内を決めるのは正解であろう。ただ、オランダシシガシラはわりと生命欲が強いためか、和金と一緒にしても平気なようである。
それから、異種間でも同種間でも、お腹が空くと無意識に目の前のものを口に入れてしまう行動を見せる個体がいるので注意である。我が家の場合は、出目金がそうである。同水槽内の流金の鰭をくわえて千切ろうとするんだから、流金はたまったものではないと思う。


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みか

こんにちは^^関連記事から来ました。
私も、先日我が家の金魚について記事を書きました。
もし宜しければ、見に来て下さいねwでは。
by みか (2006-08-04 12:51) 

なな

こんにちは。お返事の書き方が分からずに困っていました。
遅くなってごめんなさい。
金魚、お互いに大切にしたいですね。
そちらにもお伺いしまーす。
by なな (2006-08-10 07:37) 

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