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<金魚すくいの金魚が弱い理由> [ショートコラム]

みなさーん、金魚すくいって好きですか?なぜ、すくうんですか?
同じ価格なら、金魚店で買った方が絶対に、状態も色も良いものを選べるのでは?と思ってしまう私です。
でも、私の金魚暦も、やっぱり金魚すくいから始まったかも?
ここでは金魚すくいの金魚について考えて見ましょう。いつか飼育日誌で書いたことと重複するかもしれませんが、ご了承あーれ。

金魚すくいの金魚が弱い!というのは、本当のことだと思う。
でも全ての金魚が弱い!と考えるのではなく、あなたのすくった金魚が弱い!!・・・と考えたらどうか?
つまり、すくいやすい金魚というのは、表層でジッとしてて、ポイを見ても逃げる気力も無い金魚なのである。
何匹もすくえるのは、弱い金魚だけだ。

元気な金魚とは、ポイを見たらピュッと逃げ回り、しかも表層に漂うわけもなく、あちこち覗いながら自由に泳ぎまわっている金魚のこと。
そんな金魚を、弱弱しいポイで掬えますか?

たぶんあなたは、水に濡れて破れやすくなったポイに気を使って、元気な金魚をすくえないだけなのである。

ずいぶんズバズバと本音を書いたが、私が後ろから金魚すくいをしている方たちを見ている限り、そういう風にしか見えない。
弱い金魚を持って帰るんだから、当然、死ぬ確立も高いだろう。
金魚すくいをするためには、そのデメリットをはじめから計算しておく必要がある。

というわけで、ここからは、なぜ金魚すくいの金魚が弱いのか述べてみよう。
少々キツイ内容になるが、分かって欲しいと心から思う。

金魚すくいのメインは、小赤と呼ばれる小さい和金たちである。その中に、少々大きな和金や流金、出目金たちを入れれば、あなたも立派な金魚すくい店主になることが出来る。でも多くの場合、すくえるのは小赤ばかりだ。
小赤は和金であるが、はっきり言えば、和金として売る価値も無いと判断され淘汰(のけ者)されたその年生まれの当歳魚である。本来、淘汰と言うのは、育てる価値の無い金魚を捨てることであり、ゴミに出されたり埋められたりしていたが、その一方で、他の魚の餌用にしたり、最近、需要の多い金魚すくいに転用されたりしている。
金魚店で売っている小赤ですら、同サイズは1尾30円がせいぜい。1尾50円の小赤になると、ポイの強度の関係で金魚すくいの場からは姿を消すのだ。

さて、そんな金魚たちは、例えば45Lのビニール袋に恐ろしい数放り込まれて、金魚すくいの店主の元に届く。数えたことは無いが、酸素パックの状態なので、半分酸素、半分水の状態で500匹以上は入っていると思う。私が小赤を餌用に買ったときは、50匹でも20cm足らずの袋に放りこまれていたのだから・・・。
ちなみに我が家の地金は、1尾ずつ20cm以上の袋に入れられ、別梱包され配送されてきた。あまりの待遇の違いである。

どんなに酸素パックされていても、自ら水中に溶け込む酸素はわずかである。袋の端の方では苦しくなった小赤たちが必死に鼻上げを行い、それでも表層にたどり着けた小赤はまだ良いほうで、実際にはその下でたくさんの魚たちが鼻上げも出来ずに顔を上に向けて酸素不足と戦っているのである。これが輸送中の小赤の現実なのだ。
そして、輸送中にはたくさんの魚たちとぶつかりながら、半分、酸欠、半分、酔っ払いの状態で粘膜がボロボロになりながら、金魚すくいのプールに放たれる。何の抵抗力も無い小さな当歳魚が、酸欠の状態で多くの金魚とぶつかり合いながら、汚い水の中で1昼夜。これでどうして、病気にならないと言えるのか?
そしてもう一つ。小赤は特に、体型のいいものがいないのも事実である。1つは淘汰されたという形状的問題もあるが、根本的には、餌を貰っていないのが本音なのだ。餌を食べると糞をして水を汚すため、たくさんの数が1つの場所に収まっている小赤ならではの宿命ともいえる。

最終的に、弱りきった金魚が金魚すくいの場で見せる行動は、表層に顔を向けて元気なく漂うのが関の山。定員オーバーの水槽内ではたとえ広くてもすぐに酸欠になり、せっかく水槽に放たれたのにまたまた鼻上げ。それでも空気と水の接触面は増えるため、強い金魚から順に生気を取り戻していくのだ。弱い金魚はポイを見ても逃げる気力もなく、ただ順番に、静かにお客さんにすくわれていく。
そして、すくった後も良くない。小さな手提げの付いたビニール袋にちょこっと水を入れ、金魚をチョロチョロと入れて店主さんはあなたに渡してくれるだろう。その後あなたは、速攻で家に帰っていますか?まさかその後、金魚片手にたこ焼きを食べ、ゆっくりを周囲を鑑賞しながら歩いてたりしていませんか?
金魚飼うのにビニール袋で!って人はいないと思う。しかも、このHPに目を向けるくらいの金魚党であるならば、あんな小さな手提げビニール袋ではすぐに酸欠になるとは想像が付くはず。でも、普通の人には、分からないことなのだろう。さんざん金魚を連れまわして遊ぶ人は多い。祭りの場を見てると、早く帰ってあげたらいいのになぁ・・と思う現場は多い。

でも、ある意味では、早くにすくわれた方が良いのかもしれない・・・と私は思っている。ポイから逃れた金魚は結局、餌も貰えず、また、祭り終了後にはビニール袋に戻され、しかも今度は、店主さんが酸素を持っている(袋に詰めてくれる)保証はどこにも無いのだ。
出発時には元気だった小赤も、やがては力尽きる時が来る。そして、そんな商品たちに、かわいそうと目を向けてくれる人がどこにいるというのか?
だから私は思う。
死んじゃってかわいそう!と飼い主の心に留まる小赤たちはまだ幸せなのかもしれない・・・とね。

さて、余談にもなったが、すくいやすい小赤は弱りきった金魚であることを分かっていただけただろうか?
私はそんな現状を知っているから、金魚すくいをしないのである。でも、うちの子供は違う。こちらの静止を振り切って、金魚すくいをしようとするのだ。そんな時、私はどうしてあげたらいいのかと悩む。もちろん、すくった後は速攻で家に帰り塩水浴。
それくらいしか、彼らにしてあげられることはないだろう。広い水槽に放してあげて、水底の餌を拾うそぶりが見られたら、次の日から少しずつ餌をやればいい。餌に興味すらわかない状態であれば、数日後に餌をやって匂いをかがせ、反応をみる。それでも食べなかったら、かなり重態だ。
とにかく、小赤は当歳魚なのだ。当歳魚は、明け2歳3歳とは違い、病気や周辺の環境変化に弱いのである。ましてや丁寧に扱われてきた金魚ではない。いっぱい苦労して生き残った子たちなのだ。
下手したら青仔を飼う位の慎重さで見てやってほしい。
自分の家に金魚すくいの金魚が来たら、まずは水流もないような静かな水槽で塩水浴をさせ、「よく頑張ったね」と褒めてあげて欲しい。1,2時間して、背鰭を立てて泳ぐようになったら、しめたものだ。半日ほど水流無しで休ませ、その後はエアレーションやろ過で水流をつけ、酸素を入れてやって欲しい。あとは水温変動、水質変動による病気に気をつけてやればいいだけだ。餌は、当日はやらないようにする。本人たちは欲しがっても、体が受け付けないためだ(酸欠は、乳酸という想像以上のダメージを体内に残すのである)。
それから、まちがっても、「酸欠」+「体表の擦れによる粘膜損傷」の小赤たちに塩素つきの水をプレゼントしないこと。できれば反対に、テトラアクアセイフのような鰓や粘膜を守る水質調整剤を最初にプレゼントしてあげて欲しい。

最後に・・・私は金魚すくいをしないだけで、嫌いなわけではない。ただ、この世の中が、小さな小赤たちにもう少し命の敬意を払って欲しいなと願うだけである。
金魚すくいの金魚が死ぬ理由は?金魚は弱い生き物なの?・・・そんな疑問をメールで頂くことがあるので、ペンを取った。
和金を大切に飼っている皆さま、ごめんなさいね。是非、大切にしてあげてくださいませ。


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コメント 2

うちも、金魚すくいのは弱いと思います。ななさんの言うとうりです!!だから、ネットでいろいろ調べて金魚すくいに挑戦してみたんです。
元気のいいのを中心に狙っていたら4匹しかすくえませんでした。で、おばさんのところへ持っていったらあらかじめ用意されていた別の金魚2匹を渡されたんですΣ( ̄Д ̄;)ガーンッ! 
重度の白点病の金魚の尻尾が薄くなってきました。尻尾の付け根から血がにじんでいるようにも見えるんです;;尾腐れにもかかったんですかね??
白点病が治るきざしがまだ見えません(泣 では長文失礼しました。
by (2006-09-01 16:30) 

なな

でも、でも、元気のいいのを4尾?すごいですよ!それって。
私はあまり、すくえた経験が無いんです。いつも破けて、おじさんに取ってもらった思い出ばかり・・・。
だから10尾とか4尾とか・・・私には夢のまた夢です。1尾が精一杯。

しかし、おば様に取り替えられるとは、ちょっと酷ですね。自分がすくった物をくれないようじゃ、いけませんねー。
結局、2尾になったんですか?
おうちにはたくさんいらっしゃるようですが?
by なな (2006-09-01 21:53) 

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