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<金魚の色の識別について> [ショートコラム]

さて、私の専門分野!
よくメールを通じて、金魚の目は見えているんですか?色の識別はできるんですか?と聞かれるのだが・・・。
逆に皆さんに聞きたい。
なぜあなたは、金魚の目が見えていないと思うのですか?
なぜ、金魚は色の識別が出来ないと考えるのですか?

結論から申し上げて、金魚は色の識別をしている。RGBの理論と言われる赤、緑、黄色はもちろんのこと、ちゃんと赤とオレンジも区別しているのだ。
なぜそんなことが分かるの?・・・という人向けに方法を教えよう。
学習実験法である。

ここに赤と緑の皿がある。赤の皿に行けば餌が貰え、緑のさらに行けば棒でつつかれるとする。何回か行うと、すぐに金魚は赤の皿を識別するようになるのだ。
あとは緑の皿を少しずつ違う色にしていけばいい。
黄色、オレンジ、赤としていけば、どの時点で間違いが多くなるかで識別機能が分かるのである。
90cm以上の水槽をお持ちの方なら、ぜひともトライしてみてほしい。小さい水槽では、棒の威力に負けるからね。
分かった?

ちなみに、色の識別が出来ない魚は、カツオやマグロ類だと言われている。もちろん彼らに学習実験など出来るわけも無いので、私は真意は知らない。私がやったのは金魚とマダイ。


<ランチュウはなぜ金魚の王様なのか> [ショートコラム]

熱帯魚の王様がディスカスと言われているが、金魚の王様はランチュウである。共通して言えることは、大きさ勝負に勝った王様ではないと言うことだ。金魚の大きさ勝負なら、和金やシシガシラが一番であろう。でも王様はランチュウなのだ。なぜ?

ランチュウはどこの店でも売られているが品評会の規模、愛好者の数も半端ではない。一般の方が、金魚を飼育してみようか!と気楽に水槽を準備して始めるのとは違い、それこそ、ランチュウにはまり込んでいる人は一種のオタク化している節がある。庭、部屋、全てを水槽が支配し、飼育だけで無く交配して自分なりのランチュウを作り出す人が多いのだ。各地の品評会に自分の作出したランチュウを送り込み、上位入賞を狙う。上位入賞の魚を交配させれば、たとえ色変わり前の仔魚であっても、万札で売り買いされる。得た金は、またまたランチュウに消える。
ランチュウは自分好みの形が作れる唯一の金魚である。もちろん、背鰭がない分、背なりについては生まれつきの形状が関わってくるが、鰭の付き方、肉瑠の付き方、体型は後の飼育で左右することができる。
その分、飼育は難しい。長い間、改良の手が加えられ、おそらく近親交配もあるのだろう。もともとの体質が弱いのである。鰭が短く、体型が丸いため、泳ぐのも苦手、止水環境を非常に好む。適度の青水が入った池が最良の飼育場所となる。流水環境で育てると、泳ぐのに適した体型へ変化してしまい、ランチュウ特有の肉瑠も発達もおさえられてしまう。尾鰭も横へ開かずに閉じた形になってしまう。もちろん、品評会では失格となる。
ただ、親魚ランチュウの姿は圧巻なのも事実。まん丸の筒型体型に肉瑠が隆々と盛り上がると、さすがは金魚の王様!と納得させられてしまうのだが・・・。

ちなみに、金魚の女王は何か?私はシシガシラだと思ってたのだが、どうやら土佐金だったらしい。その辺はまた、別の機会に話そう。


<金魚の選び方> [ショートコラム]

金魚店に行く。いろんな形や色合いの金魚がいる。私も未だにワクワクする光景だ。とくに初めての人は、どちらかというと、和金や流金よりも変な形や色の金魚に目を奪われることだろう。でも、多くの人に「金魚といったら?」と聞くと、たいていは出目金を思い浮かべる人が多い。しかも不思議なのは、金魚といえば赤色なのに、多くの人は黒の出目金を最初に思い出すのである。子供などは特に出目金が大好きだ。

しかし、どの金魚にしようか?と迷う前に、まず思い浮かべなければならないのは、自分の設置した水槽のサイズである。あなたが何センチの水槽を準備しているか!で飼える金魚が決まってくるのである。多くの飼育本がなぜこのことを書かないのか、私は不思議でならない。

コラム<金魚と水槽のサイズ>で書いたように、数年の飼育OK!となる60cm水槽を準備している人なら、どれでも好きな金魚を選べばいい。ただし、60cm水槽では体長が10cmを越すと通年飼育が厳しくなる(特に夏場)ので、あくまで選ぶ魚は明け2歳までにしておく。そして、成長の早いワキン系はすぐに手狭になるので、流金や出目金のようなわりと成長の遅いものがベストである。オランダシシガシラや東錦もわりと成長が早いので注意。そして、夏場の水温が30度を越しそうな人は、必ず、数を減らすこと。もちろん、いずれは90cm水槽を準備してあげてね。

それから、金魚によっては水質に非常に敏感なものがいる。ランチュウ、地金、土佐金、チンシュリン(ピンポンパール含む)のような金魚は、ちょっとでも水質が変わるとイチコロである。出目金、頂点眼、水泡眼なども、体に突起物を持つため、怪我をして病気になりやすいので注意。

45cm以下の水槽で飼育しようという人。この場合は難しい。選ぶ金魚の基準としては、少々の水質悪化にも耐えられる気力を持ち、成長も遅く、水流の流れに疲れない金魚を選ばなければならないからだ。45cm水槽はどうしても、水質悪化しやすい。そして、酸素供給やろ過の関係で水槽内に水流が起きるわけだが、もともとの水量が少ない関係でどうしても急激な流れになりやすいのだ。結果的に、ランチュウ系のような、体長に比較して鰭の短いものは無理である。反対に、和金は丈夫だし俊敏に泳ぐが、成長は早いし食事量も多い。水が汚れやすいのだ。それから、出目金も実は水質悪化に弱いほうで、狭い環境では病気になりやすい。
このような方にお勧めするのは流金である。小さな環境で水質悪化に注意しながら、大きく育てず、でも年はとらせる!・・・このようなことが可能なのだ。一般にマメリュウと言われている、豆流金のこと。普通に育てれば20cm程度になる普通の流金を、いかに小さく育てるか!の世界である。これは品評会もあるらしい。
どうしても45cm水槽しか準備できない人は、そのような飼育法を試してはいかがだろうか?小さな小さな世界に、とことんまで命を吹き込んであげて欲しい。
ちなみに、マメの世界がマメリュウしかないところを見ると、他の金魚では難しいのであろう。

飼育本ではほとんどの金魚が「丈夫で飼いやすい」と表記されているが、飼ってみると意外に弱いと感じる金魚は多い。金魚は丈夫=放っておいても良い、というわけではないことが身にしみてわかるだろう。池ならばアオコや水草、落ちてくる虫などの餌が金魚の口に入るが、家庭内の水槽では決してありえないのだ。水槽が小さければ小さいほど、小まめなチェックが欠かせない。こんなはずではなかったのに!と思う前に、選ぶ時はぜひとも、水槽のサイズを基準にしてあげて欲しい。

まとめると、鰭の短い魚や鰭のヒラヒラした魚(コメットを除く)は泳ぐのが苦手である。狭い場所でぐるぐる水が回っているような環境で飼うべき魚ではない。せめて60cmサイズの水槽で、止水部分もあるようにしてあげれば良いだろう。
そして、和金は丈夫だしどこにでもいる金魚だが、本来は池で飼うべき魚である。そうすれば、30cm近い立派なオヤジ顔を見ることができる。水槽は90cmが必要だ。
最近でてきたジャンボタイプは、間違っても60cm水槽以下に入れないこと。最低限、90cm水槽を準備する。もう本来なら、これは池の世界だろうけど・・・。

そして店に行ったら、水槽内を最低5分は観察することである。ちょっと見て「これがいい!」は絶対ダメ!
欲しい子が病気か病気じゃないか?水槽内に病魚がいるか?・・・そんなこと見るのは当たり前。そうじゃなくて、本当に見て欲しいのは、その子の性格だ。
5分も見ればいろいろなことが分かる。鰭の動かし方、鰓の動き、仲間との交流の度合い、挙句は目の動きも良く分かる。仲間と一緒じゃないとオドオドしてるのか?他の個体を突っついてまで餌をとろうとする子なのか?他の個体が何かしてたら自分もその場所に行って見るのか?・・・たかが金魚の世界でも、見ていると結構おもしろい。
でもまずは、基本は元気な個体を手に入れることなのだから、その金魚が鼻上げしているのは酸素不足のせいなのか、餌が欲しいのか、それとも病気なのか、せめてそれくらいの見極めは大切である。元気なら後は、色の好みの問題である。こっちの水槽のこの子と、あっちの水槽のあの子!という風に順に決めたら良い。もちろん、家に帰っても、毎日の日課として、金魚をじっくり見ることは忘れない。
水質の敏感な金魚に挑戦したい人ほど!・・・金魚はじっくり見ることですよ。

それから、異種間の組み合わせだが、それは飼育本の通りである。いじめられるということは、金魚の場合ほとんど無いが、どういうわけか、よく泳ぐ魚のほうが生き残りやすいのは事実である。飼育現場の実際として、餌をみんなが食べているように見えても、やっぱり泳げない魚から死んでいくのだ。泳げない魚にはストレスがたまるのかもしれない。よって、和金系、ランチュウ系などと体型分けがされているが、その部類単位で水槽内を決めるのは正解であろう。ただ、オランダシシガシラはわりと生命欲が強いためか、和金と一緒にしても平気なようである。
それから、異種間でも同種間でも、お腹が空くと無意識に目の前のものを口に入れてしまう行動を見せる個体がいるので注意である。我が家の場合は、出目金がそうである。同水槽内の流金の鰭をくわえて千切ろうとするんだから、流金はたまったものではないと思う。


<金魚と水槽のサイズ> [ショートコラム]

金魚鉢で金魚を飼っている人っていますか?どのくらい生きましたか?

金魚店や金魚すくいで見るような金魚は、元来、子供が多い。だいたい売られているのは当歳魚から明け2歳、明け3歳くらいが普通だ。ということは、お店で買う時点から、親魚になる成長過程を頭に浮かべなければならないのである。しかしたいていの場合、飼育に失敗する人のほとんどが、現在のサイズにすら、見合う最低限の生育環境を与えていないことが多い。よって、水槽内の環境が超汚染状態になり、病気になるのである。

仮に金魚鉢(約5Lの水量)を生育環境としてみた場合、酸素の溶け込み状態、糞尿の分解状態を加味するとメダカしか飼えないことになる。45cm水槽でも4-5cmの金魚が1尾である。それ以上の大きさになる(育つ)と、酸素消費も水の汚染も激しくなるので、エアーレーションやフィルターによる人為的環境設定が必要となるのだ。

もし金魚を心の底から飼いたいと思うなら、池を作るべきである。水深が30cm程度の広―い池がいい。最低1.5メートル四方あれば永年飼育、次世代の産出も出来る。ちょっとだけ、野性味あふれる姿が見られるかもしれない。

もし、身近な環境で金魚の永年飼育を目指したいなら、最低でも90cm水槽を準備すべきである。親魚のサイズを30cmと仮定して、入れる尾数は5尾程度にしておく。もちろん、たとえ100円の金魚であっても、毎月の飼育コストは数千円を覚悟すること(電気、水道、餌など)。90cm水槽であれば、産卵シーンも体験できる。ま、その場合は稚魚用の水槽が別途必要になるが、それはうれしい悲鳴というもの!

そして、まずは数年間だけでも一緒に暮らしたいと思うなら、60cm水槽を準備すればいい。60cm水槽であれば、最初のうち、彼らも成長していく。ましてや数年も一緒にいれば家族同然の扱い。あなたは成長した金魚を見て、あんなに小さかったのに!と感慨深くなることだろう。しかし!
成長すればするほど、彼らの生活に必要な水量が、60cm水槽ではまかなえなくなることを忘れてはいけない。あなたの金魚は、いつか必ず病気になるのである。したがって、懸命な飼育者は、金魚が成長すると90cm水槽もしくはプラ舟の準備に入るのだ。
寿命半ばで死ぬ金魚のパターンは、ほとんどが60cm水槽による飼育の場合である。それを防ぐには、成長を止めるしかない。

そして、非常に薦めたくないのが、45cm水槽による飼育である。動きの無い金魚(泳ぐのが苦手な金魚)ですら、数年の飼育は無理である。たいていの場合、1年もしないうちに病気を発症する。周囲の温度の影響をまともに受ければ、白点病。汚い水になれば尾ぐされや水カビ病を発症する。
したがって、45cm水槽は、病気の時の薬浴水槽として、一時的に飼育できる程度である。

ちなみに私は現在、60cm水槽である。永年飼育できるとは思っていないし、繁殖も夢なので、金銭環境が整い次第、90cm水槽に移行するつもりだ(もちろん居間に置くつもりだけどね)。

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追記・半年後にちゃんと90cm水槽を導入しました。あとはじっくりと、飼育を楽しんでいきます。


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